エキスパート:M.K
自分が伸びる速さより、チームが伸びる速さを考えるようになった
エキスパート|M.K(32歳・女性)/2021年入社/前職:中小SIerの運用保守
現場:証券システムのネットワーク設計・構築(品川)
いま担当しているのは、証券システムのネットワーク設計・構築です。機器台数は4,000台規模。この現場で私がいちばん時間をかけて乗り越えたのは、技術ではなく「任せること」でした。
担当 | 見積作成/通信キャリア・機器ベンダーとの調整/ネットワーク設計(設計書・管理ドキュメント更新)/テスト・構築作業(計画・施工・報告) |
規模 | 機器台数4,000台規模。リプレースと通信要件に応じた構成変更を通年で対応 |
場所 | 品川(検証は別拠点) |
働き方 | 基本は出社。慣れてきた頃合いで在宅も可能 |
主な製品 | Cisco機器がメイン(Cisco ACI採用)、一部Juniper機器 |
備考 | 月1〜2回、週末の作業があります |
転職を考えたきっかけと、フルスタックを選んだ理由
前職は中小のSIerで、運用保守を5年ほど担当していました。障害対応も改善提案も一通りやっていて、仕事の質には自信があったんです。ただ、どれだけ運用を良くしても、設計そのものに関わる機会は回ってこなかった。「上流をやりたい」と上司に言い続けていましたが、社内にその道筋が用意されていなかったんです。
転職活動では、給与よりも「次に何をすれば何になれるのか」が言語化されている会社を探しました。フルスタックは、アソシエイト・エンジニア・エキスパート・スペシャリスト/マネージャという職階と、それぞれの年収レンジ、そして上がるための条件がすべて公開されていました。中の人に聞かないと分からない、という部分がなかった。
同業にいたからこそ、そこまで開示している会社が珍しいことは分かっていました。だから決めました。
入社時の苦労と、現在の仕事
技術的なキャッチアップは、正直それほど苦労しませんでした。本当に苦労したのは、プレイヤーからリーダーへの切り替えです。

エキスパートに上がって最初の半年、私はチームの作業を自分で巻き取っていました。メンバーに任せて手戻りが出るくらいなら自分でやったほうが早い、と本気で思っていたんです。結果どうなったかというと、私の稼働だけが埋まって、チームの誰も新しいことができるようにならなかった。数字にも表れました。People Leadとの1on1で「あなたの評価は、あなたが出した成果物だけでは決まらない」と言われて、ようやく頭の切り替えができました。
いまの現場は、証券システムのネットワークです。お客様から出てくる通信要件をもとに、設計と構成変更を担当しています。4,000台規模の機器を、リプレースしながら、同時に日々出てくる要件にも応えていく。止められないシステムなので、「変えないこと」と「変えること」のバランスを常に見ています。
仕事の中身は設計だけではありません。見積を作り、通信キャリアや機器ベンダーと日程や仕様を調整し、設計書と管理ドキュメントを更新し、テストと構築作業を計画・施工・報告まで回す。技術力だけでは回らない仕事です。前職の運用保守で身につけた「関係者を巻き込んで段取りする力」が、ここで一番効いています。
製品はCiscoがメインで、Cisco ACIを採用しています。一部Juniperも入っているので、両方を見られるのはこの現場の面白いところです。基本は品川に出社していますが、慣れてきた頃から在宅も併用しています。
スキルUPの秘訣
いちばん自分の理解が深まったのは、人に教えるようになってからでした。メンバーに「なぜこの構成なのか」を説明しようとすると、自分が慣れで済ませていた部分が必ず引っかかる。その穴を埋める作業が、結果的に自分の設計力を押し上げてくれました。

規模の大きい現場では、ドキュメントが最大の武器になります。4,000台の構成を記憶で持つのは不可能なので、管理ドキュメントの精度がそのままチームの速度になる。私は「自分が3ヶ月後に読んで分かるか」を基準に書いています。
この会社の評価はスキル・バリュー・アウトプットの3点で、育成への貢献もそこに含まれます。人を育てる時間が自分の評価から差し引かれない、というのは思っている以上に大きいです。前職では、後輩を見る時間は完全に持ち出しでしたから。
もうひとつは、3ヶ月ごとのアサイン会議です。担当営業とPeople Leadで次のプロジェクトと体制を決めるので、「次はこういう領域をやりたい」を定期的に伝える場がある。キャリアを運任せにしなくて済みます。
今後の目標
いま、スペシャリストとして技術を深める道と、マネージャとして組織をつくる道の、ちょうど分岐点に立っています。
正直まだ決めきれていません。設計そのものが好きなので技術を突き詰めたい気持ちもありますし、一方でチームが伸びていく手応えを知ってしまった以上、組織側の面白さも捨てがたい。ただ、どちらを選んでも年収レンジは同じだと明示されているので、「食べていくためにマネジメントを選ぶ」という選び方をしなくていい。それは恵まれていると思います。
次の1年で、両方を少しずつ試しながら決めるつもりです。
プロフィール
座右の銘:任せる勇気
休日の過ごし方:登山。月に一度は山に入ります。準備を綿密にやる点は、仕事とあまり変わらないかもしれません。
One day|ある一日の仕事
- 10:00 出社(品川)・チーム朝会。進捗とブロッカーを確認
- 10:30 通信要件の整理と設計方針の検討、見積作成
- 12:00 昼休憩
- 13:00 機器ベンダー・通信キャリアとの調整MTG
- 14:30 設計書・管理ドキュメントの更新、メンバーの成果物レビュー
- 16:30 メンバーとの1on1(隔週)
- 17:30 週末作業の実施計画づくり、体制と手順の確認
- 19:00 退勤
応募を迷っている方へ
同業から転職を考えている方に一番伝えたいのは、「評価基準が公開されているかどうか」を必ず見てほしいということです。技術力があっても、それが何に換算されるのか分からない環境では、努力の置き場所が定まりません。

この会社は、次に上がるための条件を隠しません。だからこそ、条件を満たしていなければ上がらない厳しさもあります。ただ、それは納得のいく厳しさです。自分のキャリアを自分で運転したい人には、合う環境だと思います。
